ラバーファッションの未来
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昨年10月にこちらを書いてからまだ3ヶ月しか経っていませんが、大きな動きが様々ありました。これまではこちらでも触れたように、
紫外線や酸素との接触により、変質することがある
またこちらで触れているように、着用時にもいくつかの制約がありました。
ところが、この制約が遅くとも数年以内に完全に解消されるかもしれません。少なくとも、現時点でも解消することが可能になっていますが、まだほんの一部に限られ、全体へ広がる大きな動きにはなっていないからです。
ほぼ毎日更新している情報の中にある、Demaskが発表したSilky Latex、Kim Westが発表したGlyde-TEX(旧名Glyde-On Latex)は、着用時にドレッシングエイドやタルカムパウダーが必要ない独自に加工されたラバー生地で、Silky Latexのページにある動画をみていただくとわかると思いますが、非常にスムーズに着用が可能となっています。
また、同じくKim Westが発表したFade Stopは、生地そのものに加工がされているものではなく、トリートメント剤として発売されるもので、これをつけることで酸素(オゾン)や紫外線による劣化・色褪せを予防することが可能とされています。
Silky LatexにしろGlyde-TEXにしろ、着脱の容易さだけでなく、これまでは着用時の表面摩擦による抵抗感の高さから他の素材との重ね着が難しかった点が克服。さらにGlyde-TEXではアナウンスされていませんが、Silky Latexではラテックスアレルギーの方も着用が可能とアナウンスされていることを考えると、フェティッシュファッション以外では一部のハイファッションにのみ見られたラバーが、Jac Langheim S/S 2011 Collectionなどにみられるように、より広範に用いられる可能性が高まったとみて間違いないでしょう。
同時に劣化・色褪せといったラバーに特有の大きな問題も克服されつつある現状も合わせて考えると、必ずや近い将来に普及に大きく前進するとみて間違いありません。もちろん、ラバー生地そのものが劣化・色褪せを予防するようになれば、それがベストであることには変わりありませんが・・・。
10年前、精緻なプリントがなされたラバーファッションが登場すると誰が考えたでしょう。ラテックスアレルギーでも着用可能なラバーが登場すると誰が想像したでしょう。数年後、いや1年後、どのように変わっているのか?期待を持って見守りたいと思います。